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「秋田のこくほ」 (2012年07月)

表紙
<表紙>

目次


浦城跡のある高岳山/八郎潟町
CONTENTS

  保険者紹介 八郎潟町
   (保健対策シリーズNo.345)

  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第5回 女性に最も多いがん 〜大腸がん〜         
  秋田赤十字病院 院長 小棚木  均



  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
  今月の食材「冬瓜」 


  連合会のうごき


  連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<345>
 
特定保健指導の充実に向けて
 

【八郎潟町】 


 
特定保健指導の充実に向けて

 特定健診・特定保健指導が始まり今年で5年目になります。受診率、保健指導の実施率アップに頭を悩ましている毎日です。今回、本町のこれまでのメタボリック予防の取り組みを紹介します。
 
特定保健指導教室への参加を促す

 本町では特定保健指導の一環として健診結果説明会、メタボリック予防教室(食事編・運動編)等の教室を開催しています。健診結果説明会は特定健診受診者に健診結果を手渡しながら個別に説明します。住民一人ひとりと接することで住民のニーズを把握できること、また、説明を受けた参加者にとっては、自分にあった説明をしてくれるのでよかったと好評です。特定保健指導の対象者には、その後の特定保健指導教室への参加を促す動機付けになっているようです。
 
予防とともに地域コミュニティの充実を

 メタボリック予防教室の運動編では毎回20名程の参加者で、町民の運動への関心の高さが窺われます。“自分一人ではなかなか運動を続けることが難しいので教室に参加した”という方が多く、仲間ができ、お互い励みになっているようです。教室終了後も継続して運動を続けていきたいとの参加者からの要望もあり、自主組織としてサークルを作り、保健センター等を会場に週1回の運動を継続しています。住民同士のつながりが希薄してきている昨今において、健康づくりの教室をきっかけに地域のコミュ二ティの充実につながってほしいと望んでいます。課題は40〜50代の参加者が少ないこと、特に働き盛りの男性の参加が少なくまだまだ周知が足りないと反省しています。特定保健指導の充実を図ると共に、一人でも多くの町民が健康に関心をもってもらえるような取り組みを今後も続けていきたいと思います。







保険者紹介 人・環境・文化のきらめくまち 八郎潟町

保険者紹介


【浦城跡のある高岳山】
 八郎潟町にある高岳山から峰続きの浦城跡。
 ハイキングや視察する方々が年々増えています。

 八郎潟町は、県中央の北部に位置し、東及び南は五城目町、北は山本郡三種町、西は八郎潟調整池にそれぞれ接しています。面積は17.00㎢と県内で1番小さく、ほぼ平坦な地域であります。本町には秋田県指定無形民俗文化財の願人踊と一日市盆踊があります。願人踊は5月5日の一日市神社祭典で奉納踊を演じた後、各家々を門付けして一日市地区を巡ります。秋田県の三大盆踊の一つとされる一日市盆踊は8月18日〜20日の3日間、一日市上町大通りで開催されます。

国保の取り組み

 当町の医療費増は、主に高額な入院医療費の発生が原因となっており、生活習慣病など重症疾患の発生を抑える取り組みが課題と考えております。そこで、特定健診の受診率向上による健康管理の定着化と病気の早期発見・早期治療を進めるよう努力したいものです。今後も広報を活用したPRを充実し、健診受診向上に向けた活動を展開します。また、後発医薬品の利用促進を呼びかけるなど、医療費適正化に努めます。
 健康まつりでは、健康や食事に関するパネル展示や相談会を開催。血圧測定や個別の栄養指導のほか、健康度体験を開設し、骨密度測定・体脂肪測定やスポーツ吹き矢などの軽スポーツで健康増進に努めます。



保険者紹介 スポーツ吹き矢を行う参加者





国保主管課長より一言
福祉課長 伊藤則彦

 福祉と介護と連携した体制づくりを

 本町の保険税率は県内でも高いことから、町民の意識改革を進め、健診受診率の向上と医療費の抑制を図ることが大命題である。その対策として、町内会などを対象とした「一地区一学習」の推進と、保健委員研修会を実施している。
 今後は、町民への情報等をどんどん発信する態勢づくりと、福祉・介護と連携してサポートする体制づくりを進めたい。そのためにも、地域に切り込んでいこうとする、町のスタッフの姿勢が重要と感じている。









       
がん対策特集「がんについて知ろう」
第5回 女性に最も多いがん 〜大腸がん〜
 



 日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症していると言われています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。


罹患率が胃がんを抜いてトップに
 大腸がん(大腸癌)に罹る人は全国で年間約10万人で、男性が5.8万人、女性が4.2万です。女性のがんの中では最も多くを占めます。地域がん登録でみた秋田県の大腸癌発見数は2006年1331人、2007年1420人、2008年1431人、2009年1791人、2010年1811人であり、年々増加していると共に、2008年以降は胃癌を抜いてトップになっています。がん拠点病院である秋田赤十字病院で1993年から昨年12月までに手術された大腸癌患者は2125人で、年齢は27歳から104歳でした。1993年からの10年間を前期、その後の9年間を後期として比較すると、前期は962人、後期は1163人でした。年代毎のピークは、前期は60歳代、後期は70歳代であり、後期では70歳代や80歳以降の増加が著明でした(図1)。
※図1は本紙参照


遺伝子が傷つくことで発症
 遺伝性の大腸癌も極くまれにありますが、多くは原因不明です。ただ、癌になる仕組みとして大腸粘膜細胞の遺伝子が種々の要因で傷つき、その積み重ねで癌になることは確実視されています。その要因として、食生活の欧米化(食物線維摂取減少や脂肪分摂取増加)、肥満等が挙げられていますが確実な事は判っておらず、現時点で過度の食事制限は不要です。


便に血が混じっていたら
 秋田赤十字病院の例でみると、症状がなく検診や他疾患の定期検査で発見された人が全体の1/3でした(図2)。症状がある人では「便に血が混じる」が5人に1人と最も多く、痔(ぢ)からの出血と思っていたら実は大腸癌だったという人も珍しくありません。「便が黒い」あるいは「便に血が付く」等があったら、医療機関で検査することをお勧めします。次いで多い症状は、「下痢」や「便秘」などの便通異常(12%)、「腹痛や肛門痛」(11%)でした。なお、症状の割合は前期と後期で差はなく、最近でも、癌が大きくなって腸閉塞になったものや、癌が破れて(穿孔して)腹膜炎になったものも少なからず認められました。
※図2は本紙参照


大腸がんの検査方法
 検診等で用いられている便潜血反応検査は、一見正常に見える便塊の中に癌から流れ出た血液が混じっていないかをみる検査であり、簡便ながら有用が認められています。大腸癌があるかないかを直接検査する方法として、バリウムをお尻から入れて検査する注腸造影検査(図3)と大腸内視鏡検査があります。現在は内視鏡検査が主流になっていますが、その両方を組合せることもあり、医師と相談してどの検査を受けるか決定して下さい。なお、大腸癌の有無をみるため始めからCT検査やMRI検査、PET検査あるいは腫瘍マーカー(CEAなど)測定を行うことはなく、行ったとしても早期癌は判りませんので、前記2つのどちらかで検査して下さい。
※図3は本紙参照



プロフィール


 秋田赤十字病院 院長 小棚木 均(こたなぎ・ひとし)


 昭和29年秋田県生まれ。昭和47年に横手高校を卒業し、秋田大学医学部に入学。昭和53年に卒業後、同大第一外科に入局。公立横手病院や仙台オープン病院で研修し、昭和60年に医学博士。昭和62年から秋田大学医学部助手。昭和63年に米国クリーブランド・クリニック大腸外科に留学。平成8年に秋田大学医学部講師、平成12年に助教授。平成15年に秋田赤十字病院第一外科部長として赴任。平成23年に副院長。平成24年から院長に就任する。













秋田県国民健康保険団体連合会