<< 秋田のこくほ


「秋田のこくほ」 (2012年10月)

表紙
<表紙>

目次


田代岳・高層湿原/大館市
CONTENTS

  保険者紹介
   21世紀に飛翔する環境先端都市 大館市

   (保健対策シリーズNo.346)

  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第6回 日本のがん死亡者数第1位のがん 〜肺がん〜         
  外旭川病院 院長 三浦 進一



  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
  今月の食材「鮭」 


  連合会のうごき


  連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<346>
 
健康づくりの機会の増大のために
 

【大館市】 

 市民の健康づくりに取り組む機会の拡大を目的に行っている『エンジョイ!元気アップ講座』は今年度で6年目となります。今回は、大館市が行っている健康づくり講座の1つである『エンジョイ!元気アップ講座』についてご紹介します。
 
●『エンジョイ!元気アップ講座』

 講座では、年6回の運動体験講座のほか、血圧測定、健康相談や健康教育を行っています。
 多くの方に講座を知ってもらえるよう、市の広報や健康づくり講座が一覧になっている“健康づくりナビ”の配布、ホームページへの情報掲載やTwitterの利用によって周知に努めています。事前申込みが不要なため、気軽に参加していただくことができ、毎回約50人の参加があります。20歳代から80歳代の幅広い年齢層の方の参加があり、なかでも60歳代の参加者が多くみられます。

 
●「行ってみたい」「また行きたい」と思ってもらえる講座を

 講座終了後には毎回アンケートを実施しており、参加者のニーズや状況を把握し、事業に活かすための貴重な意見を得ています。
 例えば、参加者の「新しい運動を行ってみたい」という意見から、太極拳、ダンス・エクササイズ、ボクササイズなどの新たな運動を体験講座のテーマに取り入れました。
 また、「参加したくても日中では時間が合わない」という声から、夜間の健康づくり講座である『エンジョイ!エクササイズ』を新たに実施しています。現在、運動を中心とした講座を年5回、午後7時から行っています。
 さらに、「会場が遠くて行けない」という声から、各地区の公民館を巡回して健康講話や運動実技を行う『出張!元気アップ講座』の開催にもつながりました。こちらは、今年度から年2回実施しています。
 大館市では、この講座をきっかけに参加者が習慣的に健康づくりに取り組む意識を持ってもらうことを目指しています。そのためにも、一人でも多くの方に「参加してみたい」「また行きたい」と思ってもらえるような講座を計画し、健康に関心を持ってもらえるように今後も取り組みを続けていきたいと思っています。






保険者紹介 21世紀に飛翔する環境先端都市  大館市

保険者紹介


【田代岳・高層湿原】
 田代岳の9合目にある湿原には、およそ120を超える池塘(ちとう:湿原や泥炭地に形成される池沼)が点在するといわれ、その様は「雲上のアラスカ庭園」と呼ばれています。


 大館市は、県北東部の山地と清流に抱かれた大館盆地にあります。秋田、青森、岩手、三県の結節点に位置し、古くから政治・経済・文化交流の要衝として栄えてきました。
 昭和26年に大館町と釈迦内村が合併して市制を施行。平成17年6月には比内町、田代町を編入して現在の市域に至っています。
 面積は913.70平方キロメートル、人口7万9000余名。豊かな自然を大切にしながら、空港や高速道路といった高速交通体系と住環境、経済環境の整備も進んでいます。


国保の取り組み

 大館市では、ジェネリック医薬品の普及を促すため、「ジェネリック医薬品出前講座」を開催しており、特に平成21年度から力を注いでいます。
 町内会などにおじゃまして親しく楽しく交流させていただきながら、「ジェネリック医薬品とはなんぞや」について、できるだけ分かりやすい言葉でお話をし、多くの皆さんにご理解いただけるよう努めているところです。
 参加者のほとんどは65歳以上の高齢者で、実際に定期通院し日常的な服薬を経験されている方々です。「薬代が安くなるのかも」「国保の台所事情はそんなに大変なのか」「今度薬局に行ったら、希望カードを出してみるよ!」など、出前講座の反応は上々です。参加者の漠然と抱えていた不安や疑問が解けて、ジェネリック医薬品への切り替えに向けた動きがうかがえます。
 出前講座を始めてから現在までに29町内(団体)で開催させていただきました。機会が増えれば理解と普及はもっと進むものと期待されます。









国保主管課長より一言
保険課長 虻川信幸

 いつまでも健康に暮らせるまちを目指して

 当市の国保会計の状況は、平成23年度決算見込みでは歳入が約96億1千万円、歳出が92億8千万円と、概ね安定した運営となっています。しかしながら、ご承知のとおり地域経済は依然厳しく、市民の税負担感も大きいことから、何とか現在の税率で継続して運営していきたいと考えています。
 そのためにも、健康づくり事業は、医療費の抑制による財政効果と併せ、高齢になっても健康で安心して暮らせるための最重要課題として、市の健康推進課と連携しながら取り組んでいます。市民の皆様にはぜひ各種検診を受診いただき、気軽に健康相談にお越しいただければと思います。












       
がん対策特集「がんについて知ろう」
第6回 日本のがん死亡者数第1位のがん 〜肺がん〜
 



 日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症していると言われています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。


治療法の進歩にもかかわらず死亡者の多いがん
 肺がんは日本で年に約7万人の方が亡くなっており、治療法の進歩にもかかわらずがん死亡者数の第1位を占めなおも増え続けています(図1、2)。わが秋田県での肺がん罹患率は、男性は胃がん、大腸がん、前立腺がんに次いで第4位。女性は大腸がん、乳がん、胃がん、子宮がんに次いで第5位です。平成22年、人口10万人あたり男性116人、女性47人が肺がんと診断されました。
※図1、2は本紙参照


最大の発症原因は“喫煙”
 肺は外の空気を奥まで吸い込みますので、特に環境の影響を受けやすい臓器です。大気汚染や放射線、アスベストなどの粉塵も肺がんの原因となりますが、何と言っても最大の原因は喫煙です。しかも日本人は喫煙率が年々下がってきている(今年のJTの調査で男性32.7%、女性10.4%、全体で21.1%)とは言うものの、先進国の中でも喫煙率が高い方で喫煙者のみならず他人のタバコの煙を吸わされる受動喫煙で肺がんに罹りやすいのです。


続く咳と痰に注意!
 無症状の場合もありますが咳が続くことが最も多く、しかも喫煙者は普段から咳や痰がでるため病気の自覚が無く、進行するまで分からないことが多いようです。他には血痰、胸痛、嗄声(させい:声がかれること)、易疲労感などがあります。


確実な診断が必要になるがん
 肺がんは組織型と、病期(がんの進行度合いの指標)によって治療法が異なるため、細胞や組織の分析で確実な診断が必要です。最も一般的なのは胸部X線撮影です。多くはこの検査で肺がんの疑いとされますが、X線撮影で分かりにくい部位や、ごく初期のがんの診断には、胸部CTが必要です。血痰のある方や、普段痰の出る喫煙者は肺・気管支の中心部にがんができている可能性があるため、喀痰細胞診も行います。がんの疑いが濃厚となれば気管支内視鏡検査を行い、細胞ないし組織診を行います。腫瘍をCTで撮影しながら針で穿刺したり、胸腔鏡で腫瘍の一部を取り出して検査をする場合もあります。


治療方法と死亡者数が多い原因
 組織型、病期が診断されれば治療の計画に入ります。肺の一部に限局した大きさ3cm以下のものであれば、手術で完全に切除できる可能性がありますので、腫瘍の部位と患者さんのリスクを考え、胸腔鏡手術か開胸手術かを検討することになります。腫瘍が大きくリンパ節などへの転移がみられる場合は、手術を含め放射線治療や化学療法の単独あるいは併用を検討します。治療成績が悪いのは手術以外の方法で治るのが難しいからです。


注目される分子標的治療薬
 化学療法で最近注目されているのは分子標的治療薬です。アジア人の女性で、腺がん、非喫煙者の、がん細胞のEGFR遺伝子変異がある方に効きやすいとされ、これを使うにはがん細胞の遺伝子の分析が必要です。これは平成14年日本で最初に認可された時、藁にもすがる思いでとび付いた多くの方たちが予測できない間質性肺炎という重症の肺炎で亡くなり大きな社会問題となりました。その後詳しい分析がなされ最近復権しました。改めて、専門医からの処方が必要なことを申し添えます。
 完全治癒が可能な早期がんを発見するには、検診を毎年受け、咳が2週間以上続いたら専門医に早めに相談することが肝要です。



プロフィール


 外旭川病院 院長 三浦 進一(みうら・しんいち)


昭和28年秋田市生まれ。秋田高校、秋田大学医学部、秋田大学大学院を卒業。昭和54年に秋田大学第二内科に入局する。昭和60年より医学博士、男鹿市立病院内科科長、秋田大学医学部非常勤講師を経て、平成5年に外旭川病院副院長となる。平成21年1月に同病院院長に就任。
現在:日本呼吸器学会指導医、日本内科学会認定医、感染制御医、秋田・たばこ問題を考える会代表、
    秋田労働局地方じん肺審査医
専門:呼吸生理学、呼吸器感染症、緩和ケア、禁煙指導


















秋田県国民健康保険団体連合会