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「秋田のこくほ」 (2013年01月)

表紙
<表紙>

目次


横手のかまくら/横手市
CONTENTS

  年頭のご挨拶
  秋田県国民健康保険団体連合会 理事長 齋藤正寧


  連合会のうごき
  平成24年度国民健康保険関係功績者厚生労働大臣表彰ほか


  保険者紹介
  豊かな自然 豊かな心 夢あふれる田園都市  横手市

  (保健対策シリーズ No.347)


  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
  今月の食材「大根」


  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第7回 肝炎・肝硬変が引き起こすがん 〜肝臓がん〜
  市立大森病院 院長 小野 剛



  連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<347>
 
「脳はつらつ講座」の開催
 

【横手市】 


 
認知症に対する正しい知識の周知と予防に向けて

 横手市では、要介護認定をうけている5784人のうち認知症自立度2の方が3320人となっており、介護認定を受けていない方も含めると、実際はもっと多くの認知症の方がいると思われます。
 認知症の早期発見に努め、また、住民自らが認知症に対する正しい知識をもって予防に取り組めるようにと、今年度より生きがいづくり事業の一環で「脳はつらつ講座」を開催しています。この事業は各地域包括支援センターと各地域局市民福祉課、健康推進課が協力して行っているものです。

 
各地域局で開催 104名が参加

 講座は、平成23年度の基本チェックリストの物忘れ項目に1つ以上該当のあった方から参加希望を募り、各地域局の公民館等を会場に今年度は9ヶ所で実施し、参加者は104名となっています。
 内容は、(1)タッチパネルによる脳機能のチェック、(2)保健師による認知症についての講話「認知症予防について」、(3)認知症予防のための創作活動(絵手紙)、(4)保健師による個別相談の4項目です。
 参加者には顔見知りの方も多く、講座は終始和やかな雰囲気で進められていますが、講話では熱心に聴き入る姿が見られ、認知症に対する関心の高さがうかがわれます。また、絵手紙の作成では、初めての方も講師の先生の手本を参考に一生懸命に取り組み、出来上がったときの達成感を皆で分かち合っているようです。

 
今後のフォローをどうするか

 今回は、物忘れスクリーニング検査としてタッチパネル式コンピュータ「物忘れ相談プログラム」を使用しました。検査の結果が12点以下の方には、かかりつけ医への相談を勧めましたが、この方々への今後のフォローをどうするかが課題です。
 また、今年度は1回コースの開催でしたが、継続を希望する意見が多く聞かれました。講座終了時に実施したアンケートを参考にしながら、事業の評価と来年度以降の事業のあり方について検討したいと思います。

 
「絵手紙の体験」


 
「タッチパネルの体験」




保険者紹介 豊かな自然 豊かな心 夢あふれる田園都市  横手市

保険者紹介


【横手のかまくら】
 秋田を代表する小正月行事「横手のかまくら」は、雪で作ったかまくらの中に水神様を祀り、子供たちが暖を取りながら楽しむ行事です。背景の古民家と相まって冬の秋田の原風景を印象付けます。毎年2月15日から16日にかけて開催されます。


 横手市は平成17年10月に横手市・増田町・平鹿町・雄物川町・大森町・十文字町・山内村・大雄村の8市町村が合併し誕生しました。
 東の奥羽山脈、西の出羽丘陵に囲まれた横手盆地中央に位置し、総面積は693.04キロ平方メートルで秋田県の約6.0%を占めています。
 平安時代には、奥州藤原氏の平泉文化へと連なる、後三年の合戦(役)がこの地域を舞台に1083年から1087年にかけて繰り広げられ、その史跡や伝説が多く遺されています。全国的に有名になった、ご当地グルメ「横手やきそば」や「増田のまちなみと内蔵」を重要な観光宣伝施策として進めています。


国保の取り組み

 横手市における被保険者数は27869人と、後期高齢者医療制度が始まった平成20年度と比較し8.8%減少しており、65歳から74歳の前期高齢者が33.7%(24年9月末現在)を占めています。
 医療費については、平成23年度一人当たり医療費は319千円で、前年度比で2.8%増と毎年伸びており、その中でも疾病分類別の消化器系・循環器系・内分泌系の合計が全体の49.7%とその比率が高く、主に生活習慣病に起因するものです。
 また、腎尿路は受診者数こそ少ないものの、一人当たり医療費が高額になっており、医療費全体を押し上げる大きな原因となっています。このことから、特定健診で行う血液検査にクレアチニンを追加することで検討しています。
 ジェネリック医薬品については、患者の負担軽減や医療費の抑制につながることから、平成23年10月の保険証更新時から「希望カード」を全世帯に配布しています。また、自己負担の軽減額を被保険者に通知する「差額通知」について、平成25年度からの実施に向けて関係機関と協議を進めており、更なる利用促進を図っているところです。









国保主管課長より一言
国保年金課長 佐藤 均

 「日本のいい街2012」

 昨年10月に発行された週刊東洋経済に「日本のいい街2012」という特集記事があります。その中に、「出産・子育てしやすい街ランキング」があり、当横手市が全国1位にランキングされました。理由は、刑法犯認知件数が少なく、3世代世帯比率や認可保育所定員などが全国トップレベルにあることのようです。その他、保育料の負担軽減や子どもに対する医療費助成事業を未就学児から小学生まで拡大するなど、子育て支援対策に力を入れています。
 国保事業につきましても、被保険者の負担の緩和を図るべく、新年度に向けた新たな財政健全化計画を策定中です。








       
がん対策特集「がんについて知ろう」
第7回 肝炎・肝硬変が引き起こすがん 〜肝臓がん〜
 



 日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症していると言われています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。


原発性肝がんと転移性肝がん
 肝臓がんには、肝臓そのものから発症した原発性肝がんと、他の臓器のがんが肝臓に転移した転移性肝がんがあります。原発性肝がんには、肝細胞から発生した肝細胞癌と、肝臓の中の胆管から発生した肝内胆管癌があります。原発性肝がんの約95%を肝細胞癌が占め、肝内胆管癌は約4%です。
 日本では肝臓がんで死亡する人は年間約3万人で、男性ではがん死の第4位を、女性では第6位を占めています。罹患率および死亡率は男性が女性の3倍です。


肝臓がんの原因は何か
 肝臓がんのほとんどが、B型またはC型肝炎ウイルス感染後のウイルス性慢性肝炎や肝硬変を背景に発生することが特徴です。特にB型肝硬変、C型肝硬変状態では、きわめて高率に肝臓がんが発生することが明らかです。C型肝硬変では、肝臓がんの発生率が年間6〜7%と言われています。


進行した肝硬変と同じ症状が
 肝臓がんの初期症状として特有のものはなく、発見されにくいのが特徴です。肝臓がんでは肝硬変を併せ持つ状態が多く、症状として進行した肝硬変の症状と同じようになります。つまり、食欲不振・体重減少・全身倦怠感・疲れやすいなどに加え腹部膨満や黄疸が出てくることがあります。更に進行すると吐血・下血の他に意識障害などの症状も出ることもあります。


肝臓がん早期発見のための検査
(1)腫瘍マーカー:最も有名な腫瘍マーカーであるAFP(αフェトプロテイン)は、慢性肝炎や肝硬変でも高い数字を示すこともありますが、50〜100ng/ml以上の高値になると肝臓がんを疑う根拠になります。第二の腫瘍マーカーであるPIVKA‐II(ピブカ・ツー)は陽性に出れば肝がん診断の特異性が高いと言われています。
(2)画像診断:早期に肝臓がんを発見するために腹部超音波検査が有用です。腹部超音波検査で肝臓内に結節があれば次に腹部造影CT検査や、腹部MRI検査などを行なって肝臓がんの診断を行います。これらの画像診断で確定診断が困難な場合は、血管造影・血管造影下CT、更には腫瘍生検(細い針で組織を採取して顕微鏡で診断する)を行うこともあります。


さまざまな治療法を組み合わせる治療
 肝臓がんの治療法としては、(1)外科的切除術、(2)経皮的エタノール局注療法、(3)ラジオ波焼灼術、(4)肝動脈化学塞栓術、(5)化学療法などがあります。最近では、これらの治療法が行えないような進行した肝がんに対して、分子標的薬といった内服治療も知られています。肝臓がんは基礎疾患として慢性肝疾患、とりわけ肝硬変があることが多く、いったん根治的に治療しても、新規の発がんを起こして再発することも少なくありません。
 肝臓がんでは、この(1)多発性(1個か複数か)、(2)腫瘍の大きさ、(3)肝機能の重症度の3点を考慮してそれに適した治療法が選択されます。さまざまな治療法を柔軟に組み合わせて行うこと(集学的治療)こそが、肝臓がん患者さんの生活の質(QOL)を保ち、長期の生存につながるといえます。


十分な治療を受けるためには早期受診を
 肝臓は、「沈黙の臓器」と言われるように肝臓がんであるという特有な症状、サインはほとんどありません。健診で肝機能異常やB型肝炎・C型肝炎ウイルス陽性を指摘された場合は、早めに医療機関を受診して肝機能の再検と腹部超音波検査を受けることをおすすめします。そして、慢性的な肝臓疾患があって、腹部超音波やCTで肝臓内部に腫瘤があれば、更に詳しい検査が必要です。自覚症状のない早期に肝臓がんを診断することが、十分な治療を行うためにはどうしても必要です。


食生活・生活習慣の改善で肝臓がん予防
 肝臓がんのほとんどはウイルス性肝炎から肝硬変になったものであるため、肝臓がんを予防するには、肝硬変になる前に、肝炎を早期に発見し、治療を行うことが第一です。また、アルコールの飲み過ぎや食べ過ぎでアルコール性肝障害や脂肪肝となり肝炎、肝硬変、ついには肝臓がんを引き起こす可能性があるといわれています。食生活・生活習慣を改善し、定期的に肝機能検査を受け肝臓がんを予防しましょう。



プロフィール


 市立大森病院 院長 小野 剛(おの・つよし)


自治医科大学を卒業。平成8年4月に旧・大森町立大森病院(市立大森病院)の院長に就任し、現在に至る。平日の午後5時から7時に診察する「夕暮れ診療」や女性スタッフによる「女性専用外来」などを導入、地域のニーズに応える医療の実践に取り組む。





秋田県国民健康保険団体連合会