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「秋田のこくほ」 (2013年04月)

表紙
<表紙>

目次


康楽館/小坂町
CONTENTS

  連合会のうごき
  
  保険者紹介
  大自然と明治の風景に彩られたまち 小坂町

  (保健対策シリーズ No.348)


  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
  今月の食材「新キャベツとアスパラガス」


  がん対策特集「がんについて知ろう」
  第8回 ちょっとした皮膚のサインに注意?  
 〜皮膚がん〜
  秋田赤十字病院 皮膚科部長 八木 英一



  連合会の日誌から

保健対策シリーズ
<348>
 
小坂町健康のつどい
 

【小坂町】 


 
いっしょにつくろう・笑顔の居場所

 小坂町では、町民が自ら健康づくりに関心を持ち、健康でいきいきとした生活が送れるよう、町民参加の場として「健康のつどい」を開催しています。24年度で20回目を迎え、24年度のテーマを「いっしょにつくろう・笑顔の居場所」としました。
 
催されるさまざまなコーナー

その内容を紹介しますと、
体脂肪、骨密度測定、足指筋力測定コーナー
 国保連合会の協力を得ながら実施しています。
七滝地区食生活改善推進員による試食コーナー
 「減塩・野菜たっぷり」メニュー紹介、パネル紹介などを行っています。
式典
 4歳児健診でむし歯のない子と保護者を表彰し、10年以上にわたり、地域の健康づくりのために活躍されている保健協力員の方に感謝状を贈呈しています。
活動紹介等
 今まで数々の健康づくりに励んでいる方々の活動を紹介してきました。85歳以上の生きかたファッションショー、健康づくりサークルの活動紹介、そのときどきの旬な方々の実践発表には、参加者全員がパワーをいただいているところです。今回は、つどいの常連さんとなった「お元気くらぶ」の“のびのび体操”を紹介しました。
自殺予防公演
 「劇団 シアター・ル・フォコンブル〜劇団青い鷹」による公演は、登場人物がとても身近で笑いあり、涙あり、こころの健康づくりを考えるとてもよい機会となりました。
パネル展示
 ?こころの健康づくりコーナー、?減塩と野菜を食べよう(七滝地区食改グループ手づくり)、?国保コーナー(医療費、疾病統計)を展示しました。

 
住民の声に耳を傾けながら

9月の老人月間に入りますと、毎年県内各市町村の高齢化率が発表されますが、小坂町は高い方から4番目の36.9%となっています。このような状況下で「心身ともに健康な高齢者でいる」ことが、小坂町の保健福祉活動の大きな目標であり、その一環として「健康のつどい」を開催し、広く健康づくりについての意識喚起を行っています。年を重ねても、心も体も前向きに明るく過ごしたいという住民の声に耳を傾けながら、今後も住民参加型の健康のつどいを開催していきたいと思います。
 
七滝地区食生活改善推進委員のみなさん


 
古苦竹「お元気くらぶ」のみなさん




保険者紹介 大自然と明治の風景に彩られたまち

保険者紹介


小坂町は、神秘の湖・十和田湖を有しており、市街地は鹿角盆地の北端に位置しています。藩政期には南部盛岡藩に属し、鉱山と豊富な森林資源に恵まれた秋田・津軽との藩境の村でした。
 小坂鉱山の発展により、明治末期には人口2万数千人を抱える県下第二の都市に発展しました。
 現在は人口約5.900人、世界に誇る小坂鉱山の技術を活かしたリサイクル関連産業と観光の町です。
 十和田湖に代表される美しい自然、そして鉱山の歴史に彩られた近代化産業遺産の建物群が、ヨーロッパの町にも似た独特の風景をつくりだしています。

国保の取り組み

 保険事業運営の対象となる被保険者数は減少傾向にあるものの、一人あたりの医療費は増加傾向にあることから、保険給付費などは年々増大しています。
その一方で、被保険者には高齢者や無職者を多く含み、課税所得も年々減少していることから、収納強化を行っても、保険給付費の伸びに見合う財源を確保できない状況にもあります。
医療費増加の主な要因として、被保険者の年齢構成に高齢化が進んでいることから、この高齢化の進行も医療費の増加に大きく影響を及ぼしていると考えられます。
医療技術の進歩に伴い高額な医療保険給付費の発生するなかで、給付そのものができないということは避けなければならず、病気になったときに、いつでも、どこでも、町民が安心して医療を受けられる国保制度を、町としても維持していく覚悟です。
このようなことから、国保税の適正賦課、国保税の徴収率向上対策、医療費の適正化、町民の健康づくり等を主要施策と捉え実施しています。なかでも、医療費の適正化については、「過剰な医療や投薬が行われていないか」などのレセプト点検調査の強化や、国保連合会から毎月送られてくる「国民健康保険重複多受診者一覧表」を確認し、重複・多受診者には保健師による訪問指導を行い、適切な受診を促しています。また、国保の保険給付費全体の約3割を占めている薬(調剤)代について、昨年度から「ジェネリック医薬品に関するお知らせ(差額通知)」等を被保険者に配布するほか、広報紙を活用したPRなどの普及活動を行い、被保険者の負担軽減と国保の医療費抑制に努めています。
以上のように、国保財政の適正な運用と保険事業運営にかかる構造的な課題の解決に向けて、日々、効果的かつ効率的に事業を推進し、国保事業運営の健全化に努めております。









国保主管課長より一言
小坂町 町民課長 木村 政義

 我が町は一人あたりの医療費が高い市町村として常にランクされている。さまざまな要因があるが、医療費の抑制は最重要課題である。特定健診の受診率やがん検診受診率が思うように伸びず、特にがん検診は県が目標とする50%にはまだ遠い状況にある。先日、ある記事が目に止まった。20年以上前に米国から帰国した方が、当時の日本におけるがん検診の受診率の低さに驚いていた。米国では、20年以上も前からがん検診を受診するのは常識と考えられていたとのこと。がんの死亡率が高い町であるから、町民にもがん検診を受診するのは常識だという考えが浸透してほしいと願っている。







       
「がん対策特集「がんについて知ろう」
第8回 ちょっとした皮膚のサインに注意? 〜皮膚がん〜
 



日本人の死因の第1位はがんで、一生のうち、2人に1人が発症していると言われています。ご存じのとおり、秋田県はがんによる粗死亡率が平成9年以来、全国で最も高くなっています。がんは早期に発見できれば、治癒率は高くなります。早期発見・早期治療のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
 このコーナーでは、各部位に発症するがんについて、それぞれ専門医より早期発見・早期治療につながる情報を紹介していきます。

皮膚には老化とともに色々な発疹が生じますが、皮膚がんの初期の場合があります。代表的な皮膚がんは、有棘細胞がん・基底細胞がん・悪性黒色腫です。今号では有棘細胞がんと基底細胞がんの症状や治療方法を紹介します。


有棘細胞がん
 表皮角化細胞の悪性腫瘍化したもので、毎年人口10万人あたり2.5人程が発症します。日光露出部に多く、紫外線による角化細胞のDNA損傷により生ずるとされています。皮膚がんの30%を占め、最近増加しています。
・症状
角化傾向のある単発の小さな結節や紅斑として初発します。顔に40%、手・足・頭・下肢にそれぞれ10%生じ、70歳以上に好発します。かゆみ、痛みは無く、増大して凹凸を伴う腫瘤や局面となります。カリフラワー状を呈すこと、壊死組織が付着し悪臭を伴うこと、潰瘍ができることもあります。大きさは1cm〜5cm位ですが、時に10cmを超えます。
・診断
皮膚生検を行い組織診断で確定します。超音波、CT、MRI検査で腫瘍の深さ・浸潤度を調べます。有棘細胞がんは転移しやすい腫瘍です。大きさ2cm 以上、 厚さ4?以上、境界が不明瞭、急速な増大などがある場合は高リスクに該当し、全身検索で転移を調べることが必要です。 初診時に原発巣のみが88%、所属リンパ節転移があるものが8%. 遠隔転移があるものは4%といわれています。
・治療
腫瘍から4〜10? の距離で切除します。臨床的にリンパ節腫大が明らかな場合はリンパ節郭清を行います。手術が困難な場合は放射線療法を施行します。大きさが2cm を超える例の一部、手術・放射線療法ができない例や遠隔転移がある場合は化学療法を行います。
・予後
大きさが2cm以下で初診時に転移の見つからない場合でも、術後のリンパ節転移は3年以内に5〜10%起こります。術後の最初の2年間は特に慎重にフォローします。初発時に下床浸潤や転移が無い場合は5年間の生存率が80〜90%ですが、転移がある場合は10〜40%となります。


基底細胞がん
 皮膚がんの中で最も多く、50%を占めます。毎年10万人に4人前後が発症しますが、こちらも増加傾向にあります。
・症状
表面に光沢があり単発する黒色調の丘疹・結節で、顔に70%、頭部・頚部には10%生じ、特に下まぶた・鼻・鼻の周り〜頬によく生じます。70歳代に好発しますが、40歳代に発症した例もあります。?結節型、?斑状強皮症型(瘢痕に似る)、?表在型(紅斑、丘疹)などに分類されますが、?が90%で分葉状、堤防状の隆起や潰瘍化が見られることもあります。かゆみ、痛みは無く徐々に拡大します。
・診断
皮疹から診断します。最近はダーモスコピーという拡大鏡を使いますが、網状の色素沈着が無くかつ国際基準の6項目の1つを満たせば診断されます。鑑別が難しい場合は皮膚生検、病理診断を行います。
・治療
高リスクに分類されるのは、頬・額以外の顔で6?以上、頬・額・頭部・頚部で1cm以上、体幹・四肢で2cm以上の場合です。治療は切除で、高リスクでは 腫瘍から5?以上、高リスク以外では5?以下 の距離で切除します。
・予後
腫瘍から4〜5? の距離の切除で95% が治癒します。しかし、放置しておくと骨を侵し、顔に穴が開くことがあります。転移は稀( 0.01〜0.5%)です。


皮膚がんを疑うポイント
 小範囲の潰瘍・びらん・出血がなかなか治らない場合や、縮小しない結節で黒味が増す、真ん中が凹む、出血するなどの場合は皮膚がんを疑います。湿疹の外用治療をしてもなかなか治らない単発の紅斑・落屑は注意が必要です。次回は、悪性黒色腫の症状や治療方法を紹介します。



プロフィール


 秋田赤十字病院皮膚科部長 八木 英一(やぎ・えいいち)
昭和57年に浜松医科大学医学部を卒業後、秋田大学医学部皮膚科へ入局し附属病院助手。昭和63年4月より中通病院皮膚科科長。平成元年より秋田大学医学部附属病院助手。平成5年4月 秋田赤十字病院皮膚科副部長。平成12年1月より 秋田赤十字病院皮膚科部長に就任し、現在に至る。





秋田県国民健康保険団体連合会