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「秋田のこくほ」 (2013年07月)

表紙
<表紙>





CONTENTS

  
  保険者紹介
   一人ひとりが輝く
       ひとと環境に優しい田園都市 潟上市 

  
    (保健対策シリーズ No.349)


  がん対策特集「がんについて知ろう」
   第9回 ちょっとした皮膚のサインに注意??  
    〜皮膚がん〜
   秋田赤十字病院 皮膚科部長 八木 英一


  カラダよろこぶ!旬の食材 (社)秋田県栄養士会
   今月の食材「な す」

  連合会のうごき

  連合会の主な行事予定
保健対策シリーズ
<349>
 
健康かたがみ21
 

【潟上市】 


 
生涯現役を目指して〜50歳代からの体づくり〜

 24年度策定した「健康かたがみ21(第2期)」では、健康寿命の延伸を図るため、ライフステージごとに市民が取り組む課題が掲げられています。
「身体活動(運動)」分野の目標は、40〜50歳では「今より1,000歩多く歩こう」。そして60歳以上では「自分に合った運動を見つけ、仲間と楽しく運動を続けよう」、「生活の中でこまめに体を動かそう」です。

 
4人に1人は50歳から足腰の衰えを感じ始める

 24年度に実施した「健康と食生活に関するアンケート調査」の結果では、25.7%の人が「足腰の衰えを感じ始めるのは50歳から」と答えています。ところが成人で週1回以上運動している人の割合は44.6%でした。この傾向は5年前の19年度の調査とほぼ同じ傾向にありました。この結果から、多くの市民は運動の必要性は感じているものの「運動への取り組み」や「継続」には、高いハードルを感じていると考えられます。


 
冬場の運動不足の解消に向けて

 気候が暖かいときは、ウォーキングをしていても、雪が降っている冬期間は運動ができないという声も多く、市では冬場の運動不足の解消に向けての事業を検討しておりました。平成23年度に地元の南秋田整形外科医院から、ロコモ予防のため50歳代から筋力を維持・向上するための教室開催の提案があり、貯筋を目的とした運動教室を開催することになりました。
 
「運動教室」は週1回、1回90分 8週間の実施

 講師は南秋田整形外科医院勤務の健康運動実践指導者の資格を有する登藤先生です。
対象者は50〜60歳代男女で、毎年約30名の方が参加しています。運動前後の変化をみるため、教室の初回と最終回には「片足立ち」「柔軟性」「握力」について測定を行い評価をしています。主な運動は椅子やマット、ボール等を使ったストレッチや柔軟性を高める運動です。腹筋と背筋も鍛えるため腰痛予防にも役立ちます。その他ラダー(ロープ)を使って足下に気をつけて歩きながら、視覚を使い先生の出す簡単な足し算の問題に答えるといったゲーム感覚の運動もあります。
少しハードな内容ですが、参加者は毎回大笑いしながら参加し、約2ヶ月間連続実施にもかかわらず最終回までほぼ全員が参加します。

 
多くの市民に参加してもらうことが課題

 参加者の声から一人で運動を続けるのは難しかったので、みんなと一緒に運動できて楽しかった、
冬場の運動不足を解消できてよかった、家でもテレビをみながら運動しているなど好評でした。
 一度参加すると「また参加してみたい」という気持ちが湧きますが、多くの方は参加に至るまでが中々難しいようです。「いかに参加したい気持ちにさせるか」が課題です。参加者を「次も参加してみたい」、「これならできそう」という気持ちにさせる魅力ある教室を目指し、これからも市民の健康づくりに貢献していきたいと考えています。







保険者紹介 一人ひとりが輝く ひとと環境に優しい田園都市  潟上市



 潟上市は平成17年3月、3町が合併して、誕生しました。県のほぼ中央に位置し、南は秋田市、西は男鹿市に接しており、都市的特性や豊かな自然環境に恵まれています。面積は約98平方キロメートルとコンパクトで、人口は約34000人。高齢化率でみると県内2番目に若い市です。高速交通体系が整備され、人と人との交流が広がり、天王グリーンランド、ブルーメッセあきた、ブルーホール等は、市内外から訪れるたくさんの人たちに、癒しと元気を与えています。


 潟上市の被保険者数は約9000人で加入割合は約26%となっています。被保険者数は毎年減少傾向にあり、市の人口減と後期高齢者医療に移行する人数が増えていることなどが主な要因と考えられます。
平成24年度1人当たりの医療費は約241000円で、療養給付費が全体の約68%を占めております。療養給付費の中でも疾病分類別の循環器系・消化器系が全体の4割と高く、生活習慣病に起因することから「特定健診受診券」を送付し、被保険者の健康保持増進に努めております。
また、平成24年度をジェネリック医薬品のPR年度とし、パンフレットの配布や市広報に特集記事を掲載しました。
平成25年度からは、医師・薬剤師にジェネリック医薬品への切り替え相談をしていただくことで、被保険者の自己負担の軽減を図るとともに、医療の質を落とすことなく、医療の効率化が図られるよう「ジェネリック医薬品差額通知」のお知らせを実施することにしております。






国保主管課長より一言
市民課長 川上裕隆 氏

 「健康なまちづくり」
 潟上市内には医療機関が多く、さらに秋田市に近いこともあって受診できる環境に恵まれています。国保事業の人間ドックは受診希望者が多く、市民の健康に対する意識の高さに驚きましたが、特定健診等の受診率はまだまだ低く、市民全体の意識改革が必要です。検診による早期発見・早期治療はもちろん、それ以前に健康で丈夫な身体づくりのため、各担当が連携して「健康なまちづくり」を進めることが重要であり、健康で普通に暮らせる日々が何より幸せなことと思っております。
おわりに、前職の秋田県後期高齢者医療広域連合事務局として、平成23年度からの2年間、各市町村の皆様には大変お世話になりましたことに感謝申し上げます。












       
「がん対策特集「がんについて知ろう」
第9回 ちょっとした皮膚のサインに注意?? 〜皮膚がん〜
 



悪性黒色種
 皮膚は表皮(0.2mm)、真皮、皮下組織からなり、表皮の最下層でメラニン色素を産生するのがメラノサイト(色素細胞)です。このメラノサイトの悪性化したものが悪性黒色腫です。口腔、鼻粘膜、眼球脈絡膜や脳軟膜にもメラノサイトがあり、稀に悪性化します。生まれつきの黒あざや生後生じたほくろはメラノサイトの母斑化(良性の増殖)したものですが、悪性黒色腫の1/4はここから生じます。発症には紫外線、外傷、物理的刺激、熱傷瘢痕などの関与が考えられています。白人に多く、年間人口10万人あたり20人が発症します。日本人は2人、黒人は0.5人です。皮膚がんの20%を占めますが、悪性度は非常に高く,リンパ行性,血行性に転移します。

症状
 成人(30歳代)以降に黒い発疹として発症します。若年者にも稀に生じます。足、次いで顔・頭の順に多く、体幹、上肢、手にも見られます。臨床型は4つあり ?表在拡大型は小さな色素斑で発症し、数ヶ月〜数年かけて拡大します。体幹,四肢の中枢側に好発します。?結節型は腫瘤、茸状となり、時に潰瘍化・出血します。メラニンを作らない無色素性黒色腫となる場合があります。?末端黒子型は足、趾、指、爪部に生じ、日本人の悪性黒色腫の50%を占めます。薄い色素斑から始まり、数年〜10年以上かけて拡大します。?悪性黒子型は顔など日光露出部に生ずるほくろ様の黒色斑、丘疹で、数年〜数十年かけて拡大します。 悪性黒色腫細胞には種々の遺伝子変異、分子異常が見られ、この異常パターンにより A.紫外線障害関与型、B.紫外線無関与型、C.末端型、D.粘膜型 の4型に遺伝子分類されます。臨床型の?とB ?とC、?とA が対応することが明らかになってきました。

診断
 黒褐色発疹には常に悪性黒色腫の可能性があります。大きさが6mmを超える。形が不整で、色調に濃淡がある。境界に明瞭な所と不明瞭な所が混在する。色素の染み出しがある などの場合、特に疑われます。またダーモスコピーという拡大鏡が診断に有用です。?〜?の病型のダーモスコピー所見と体表部位特有の所見を考慮し診断します。確定できない場合は、切除・生検し病理検査を行います。この場合、病理診断確定後すぐに根治手術ができる体制を整えます。術前の検査切除・生検、高周波エコーなどで厚さと表皮内限定病変かどうかを調べます。腫瘍の厚さ(1mm 2mm 4mm で区分)は予後に深く関係します。胸部X線写真、エコー検査、CTやPET-CT 検査を適宜行い、病期を確定します。

治療
 0病期 : 表皮内にのみ腫瘍細胞がある場合で切除します。?病期:厚さが2mm以下の場合で切除と、条件により 腫瘍領域のリンパ流に関与するリンパ節の生検を行います。?病期 : 厚さが2mmを超える場合で切除とリンパ節生検を行います。?病期 : 所属リンパ節転移がある場合です。腫瘍の切除とリンパ節の郭清を行います。?病期 : 遠隔転移がある場合で、抗がん剤を使用しますが、治療抵抗性のことが多く、放射線の効果も期待できません。 
術後補助療法は?病期以上で行いDTICとインターフェロンを使用します。転移例の治療法として、腫瘍抗原に対する抗体免疫療法、樹枝細胞療法 ワクチン、自己リンパ球体外活性化後の再注入 などがあり、研究中です。また、悪性黒色腫細胞の遺伝子異常、分子異常の発現を阻害する分子標的薬の開発・治療研究も活発化しています。

予後
 5年生存率は 0病期 100% ?病期 95% ?病期 70% ?病期 50% ?病期 10%です。 厚さが2mm以下でも生命にかかわる皮膚病であるということです。

悪性黒色腫を疑うポイント
 大きさが6〜7mm以上の不整形、濃淡のある黒褐色皮疹。


プロフィール


 秋田赤十字病院皮膚科部長 八木 英一(やぎ・えいいち)
昭和57年に浜松医科大学医学部を卒業後、秋田大学医学部皮膚科へ入局し附属病院助手。昭和63年4月より中通病院皮膚科科長。平成元年より秋田大学医学部附属病院助手。平成5年4月 秋田赤十字病院皮膚科副部長。平成12年1月より 秋田赤十字病院皮膚科部長に就任し、現在に至る。







秋田県国民健康保険団体連合会