国保で受けられる給付
病気やケガをしたときに、医療機関にかかった医療費の一部を支払うだけで、次のような診療を受けることができます。
- 診察 国保で受けられる給付
- 医療処置、手術などの治療
- 入院及び看護(入院時の食事代は別途負担します)
- 在宅療養(かかりつけの医師による訪問診療)及び看護
- 医師の指示による訪問看護
自己負担割合
被保険者の年齢により、負担割合は次のようになります。
対象被保険者 | 負担割合 | |
義務教育就学前までの人 | 2割 | |
義務教育就学~69歳までの人 | 3割 | |
70歳~ 74歳の人 |
昭和19年4月2日以降生まれ | 2割 |
昭和19年4月1日以前生まれ | 1割 ※1 | |
現役並み所得者 | 3割 |
※1 平成26年4月から予定されていた2割負担への変更は、1割に据え置かれました。
こんなときには支給があります
出産育児一時金の支給
被保険者が出産したときに支給されます。妊娠85日以上であれば死産・流産でも支給されます。
葬祭費の支給
被保険者が亡くなったとき、葬祭を行った人に支給されます。
移送費の支給
重病人の転院などの移送に費用がかかった時、保険者が必要と認めた場合に支給されます。
療養費の支給
次のようなときで費用の全額を負担した場合は、国保に申請すると、保険で認められた部分から一部負担金を除いた額が後日支給されます。
急病などの緊急の場合、その他やむを得ない理由で、医療機関に保険証を提出できなかったとき
申請に必要なもの:診療内容の明細書、領収書、保険証、印かん、申請請求書
骨折、ねんざなどで柔道整復師の施術を受けたとき
国保を取り扱っている柔道整復師の場合には、医療機関と同様に一部負担金で施術が受けられます。
申請に必要なもの:施術内容と費用が明細な領収書、保険証、印かん、申請請求書
医師が必要と認めた「はり」「きゅう」「マッサージ」を受けたとき
申請に必要なもの:医師の同意書、施術内容と費用が明細な領収書、保険証、印かん、申請請求書
医療が必要と認めたコルセットなどの治療用補装具を購入したとき
申請に必要なもの:補装具を必要とした医師の証明書、、領収書、保険証、印かん、申請請求書
輸血のための生血代を負担したとき
申請に必要なもの:医師の理由書または診断書、輸血用生血液受領証明書、血液提供者の領収書、保険証、印かん、申請請求書
海外渡航中に国外で治療を受けたとき
治療目的で渡航した場合は対象となりません。
申請に必要なもの:診療内容明細書(日本語の翻訳文が必要)、領収明細書(日本語の翻訳文が必要)、保険証、印かん、申請請求書、パスポート
高額療養費(70歳未満の人の場合)
病気やケガでお医者さんにかかったときに、自己負担限度額を超えて一部負担金を支払った場合、超えた分が申請により払い戻されます。なお、「限度額適用認定証」(上位所得者・一般)、「限度額適用・標準負担額減額認定証」を医療機関の窓口へ提示することで、自己負担限度額の支払いまでとなります。以上の認定証は、国保の窓口で交付を受けてください。
- 一人の人が、1ヵ月間に、1つの医療機関に、下表の限度額を超える一部負担金を支払ったとき
- 一人の人または同じ世帯の国保加入者が、一ヵ月間に21,000円以上支払った場合が複数あり、合計額が限度額(下表)を超えたとき
自己負担限度額(月額)
70歳未満の人または国保世帯の限度額<平成27年1月から>
所得要件 | 自己負担限度額 |
基礎控除後の所得 901万円超 |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% <多数回該当:140,100円> |
基礎控除後の所得 600万円~901万円以下 |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% <多数回該当:93,000円> |
基礎控除後の所得 210万円~600万円以下 |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% <多数回該当:44,400円> |
基礎控除後の所得 210万円以下 |
57,600円 <多数回該当:44,400円> |
住民税非課税 | 35,400円 <多数回該当:24,600円> |
70歳~74歳の人の限度額<平成30年8月1日から>
所得区分 | 自己負担限度額 | |
外来(個人単位) | 入院・世帯単位 | |
Ⅲ 課税所得 |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% <多数回該当:140,100円> |
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Ⅱ 課税所得 |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
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Ⅰ 課税所得 |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
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一般 |
18,000円 |
57,600円<多数回該当:44,400円> |
低所得Ⅱ | 8,000円 | 24,600円 |
低所得Ⅰ | 15,000円 |
交通事故にあったら
交通事故などの第三者の行為によって受けた傷病については、損害賠償であり医療費は原則として加害者が負担すべきものですが国保で治療を受けることができます。
この場合、必ず届け出が必要です。
届け出に必要なもの
- 交通事故証明書(後日でも可)
- 保険証
- 印かん
示談は慎重に!
国保へ届け出る前に示談をすると、その取り決めが優先して、加害者に医療費を請求できない場合があります。
また、後遺症などの治療も対象となりますので、示談を結ぶときは注意してください。
保険証が使えないとき
次のような場合は、保険証を持っていても保険診療が受けられなかったり、制限される場合があります。
病気とみなされないもの(給付が受けられません)
- 正常な妊娠・出産
- 経済上の理由による妊娠中絶
- 健康診断・集団検診・予防接種
- 美容整形
- 歯列矯正
- 日常生活に支障のないわきが・しみなどの治療
他の保険が使えるもの(給付が受けられません)
- 仕事上の病気やケガ(労災保険の対象になります)
- 以前勤めていた職場の保険が使えるとき
給付が制限されるもの
- 犯罪を犯したときや故意による病気やケガ
- ケンカ、泥酔などによる病気やケガ
- 医師や保険者の指示に従わなかったとき