障害者総合支援法
法の目的を「障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営む」とし、「地域生活支援事業」による支援を含めた総合的な支援を行う。
対象者
身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む)に加え、制度の谷間となって支援の充実が求められていた難病等(治療法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定められるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者)とする。※平成27年7月時点で、332疾病が対象です。
障害者総合支援法による総合的な支援の全体像
福祉サービスに係る自立支援給付等の体系
介護給付
① 居宅介護
自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。
② 重度訪問介護
重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により、行動上著しい困難を有する人で常に介護を必要とする人に、自宅で、入浴、排せつ、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行います。
③ 同行援護
視覚障害により、移動に著しい困難を有する人に、移動に必要な情報の提供(代筆・代読を含む)、移動の援護等の外出支援を行います。
④ 行動援護
自己判断力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援や外出支援を行います。
⑤ 重度障害者等包括支援
介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行います。
⑥ 短期入所(ショートステイ)
自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。
⑦ 療養介護
医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上での管理、看護、介護及び日常生活の支援を行います。
⑧ 生活介護
常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供します。
⑨ 障害者支援施設での夜間ケア等(施設入所支援)
施設に入所する人に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。
訓練等給付
① 自立訓練
自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練を行います。機能訓練と生活訓練があります。
② 就労移行支援
一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。
③ 就労継続支援(A型=雇用型、B型=非雇用型)
一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。雇用契約を結ぶA型と、雇用契約を結ばないB型があります。
④ 共同生活援助(グループホーム)
共同生活をする住居で、相談や日常生活上の援助を行います。また、入浴、排せつ、食事の介護等の必要性が認定されている方には介護サービスも提供します。
さらに、グループホームを退去し、一般住宅等への移行を目指す人のためにサテライト型住居があります。※
※平成26年4月1日から共同生活介護(ケアホーム)はグループホームに一元化されました。
※サテライト型住居については、早期に単身等での生活が可能と認められる人の利用が基本となっています。
地域生活支援事業
① 移動支援
円滑に外出できるよう、移動を支援します。
② 地域活動支援センター
創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流等を行う施設です。
③ 福祉ホーム
住居を必要としている人に、低額な料金で、居室等を提供するとともに、日常生活に必要な支援を行います。
障害福祉サービスの支給決定までの手続き
申請
介護給付または訓練等給付を受けようとする障害者または障害児の保護者が居住地の市町村の支給決定を受ける。
支給決定
障害区分非該当または区分1~6の判定・支給量・有効期間(原則3年)等を記載した「障害福祉サービス受給者証」を障害者または障害児の保護者に対して交付する。
市町村審査会
障害程度区分の認定、支給の要否決定に関する審査判定を行う。必要に応じて障害者本人、家族等から意見聞くことができ医師の意見書を求めることができる。
障害者介護給付等不服審査会
障害者または障害児の保護者は市町村が決定した障害程度区分の認定や支給決定に不服ある場合は県に設置された障害者介護給付費等不服審査会に審査請求することができる。
サービス利用者負担
原則として利用したサービスに要した費用(福祉サービス費の総費用額)の1割を負担(サービスの定率負担)する。食事等は全額負担する(※補足給付あり)