事業の概況
連合会の主な事業は次の通りです。
- 保険者の事務の共同処理
- 診療報酬及び柔道整復施術療養費の審査及び支払
- 特定健康診査・特定保健指導に関する事業
- 保健事業
- 国民健康保険に関する調査及び研究
- 国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険に関する広報及び研修など保険者の円滑な事業運営に資する事業その他この会の目的を達成するための事業
- 後期高齢者医療、介護給付費等に関する費用の審査支払
- 後期高齢者医療、介護給付費等の第三者に対する損害賠償金の徴収または収納に関する事務
- 障害介護給付費、障害児給付費の支払
- 公費負担医療に関する費用の審査及び支払
- その他この会の目的を達成するため必要な事業
保険者事務の共同処理
(1) 国保事務電算処理
連合会では、全国に先駆け昭和53年4月から市町村の国保事務における被保険者の資格異動事務の電子計算処理を開始、事務処理の効率化による適正かつ迅速な運営を目的に共同処理業務を実施しています。
平成16年3月には国民健康保険中央会開発の「新・保険者事務共同電算処理システム」を導入、18年からは保険者との専用回線による被保険者異動処理とあわせて出力帳票の電子化を行いオンラインで提供しています。また、平成20年4月から実施された高額医療・高額介護合算、平成21年10月から実施された出産育児一時金等直接支払制度には、新共電システムの改修により対応しています。
平成22年3月には、レセプトを紙からイメージ画像化して電子レセプトとして管理する保険者レセプト管理システムを導入、あわせて同年4月からレセプトの二次点検を受託、保険者ニーズを踏まえた事業展開を行っています。
平成23年10月には、レセプト電算システム、国保請求支払システム、保険者レセプト管理システム、国保共同電算システム、画面審査システムの連携による運用効率の向上を目指し、国民健康保険中央会開発の「国保総合システム」を全国展開にあわせ本稼働を開始しています。
電算委託状況
① 国保事務(平成25年3月31日現在)
委託保険者数 | 委託割合 |
---|---|
27 | 100% |
委託保険者内訳
市13、町村12、国保組合2
委託事業内容
- 被保険者の資格異動処理
- 明細書資格確認事務
- その他諸統計事務
② 後期高齢者医療(平成25年3月31日現在)
委託保険者数 | 委託割合 |
---|---|
1 | 100% |
委託保険者
後期高齢者医療広域連合
委託事業内容
- 審査支払事務
- レセプト二次点検業務
- その他支援業務
(2)特定健診等データ管理事業
平成20年4月から施行された「高齢者の医療の確保に関する法律」により、医療保険者には40歳から74歳の加入者を対象とする特定健康診査及び特定保健指導の実施と結果データの管理が義務化されました。厚生労働省は、保険者における特定健診等の円滑な実施のため、国民健康保険中央会に特定健診等データ管理システムの開発を委託、各都道府県の国保連合会に導入しました。
本会においては、特定健診等データ管理システムの適正な運用を図り、国への法定報告等にかかるデータの集計・管理、国庫補助金申請にかかる情報提供等の保険者支援を行っています。
また、市町村と後期高齢者医療広域連合が連携して実施する、後期高齢者健康診査に関する共同処理等も市町村の委託を受けて行っています。
診療報酬審査支払事業
(1) 審査及び支払業務
診療報酬とは、被保険者が保険医療機関(病院等)で診療、薬剤、手術などの治療を受けた場合、保険者から保険医療機関に支払われるものです。
連合会では、その診療報酬の審査及び支払に関する事務を保険者から委託を受け行っています。
(2) 診療報酬審査委員会
診療報酬審査委員会は、国保法第87条の規定により診療報酬の審査を行うため、連合会に設置することになっています。
構成は、「審査を受ける側」「審査を委託する側」「中立的立場の公益側」の三者で、知事が定めるそれぞれ同数の保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員および公益を代表する委員をもって組織し、知事が委嘱しています。
また、診療報酬審査委員会は、保険医療機関等より請求のあったレセプトについて、保険医療養等担当規則及び社会保険診療報酬点数表等や、その他関係法令等に照らして審査しています。
なお、審査の厳正かつ公平を図るため、委員会に審査専門部会(高額レセプト)、再審査部会(再審査を依頼されたレセプト)、審査小委員会(審査委員会の円滑な運営及び諸問題について協議)及び国保・社保審査連絡協議会(国保と社保の疑義事項について協議)を設置しています。
また、超高額レセプトの審査については、国保中央会に設置された特別審査委員会に審査を委託しています。
(3) 柔整療養費審査委員会
柔整療養費の審査は、連合会に柔整療養費審査委員会を設置し行っています。
構成は保険医から2名(保険者を代表する者、学識経験者)及び柔道整復師から2名(施術担当者を代表する者、学識経験者)となっており、委員は連合会理事長が委嘱しています。
介護保険関係業務
(1) 介護給付費審査支払業務
平成12年度から介護保険法第176条1項第1号の規定に基づき、保険者から委託を受け、介護給付費の審査・支払業務を円滑に行うため、審査支払標準システムの有効活用を図るとともに、介護給付費審査委員会を設置し、適正な介護給付費審査支払業務を行っています。
(2) 介護サービス苦情処理業務
介護保険制度においては、利用者と居宅サービス事業者・介護保険施設等との契約行為に基づき、介護サービスが提供されています。
介護保険制度に係る総合的な相談・苦情については、第一次的窓口として各市町村が解決機関となっています。
介護保険法第176条第1項第2号の規定に基づき、市町村等で解決が困難な指定居宅サービス、指定居宅介護支援及び指定施設サービスの相談・苦情に応じ、指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び介護保険施設に対して調査、指導・助言を行うため介護サービス苦情処理委員会及び介護サービス苦情処理調査員を設置し、苦情処理業務を行っています。
保健事業
(1)保険者による保健事業等の支援
①健康づくり事業等への支援
保険者が実施する健康教室等へ健康機器の貸出しを行っています。
②地域の健康づくり活動推進のための研修会・被保険者の健康管理促進事業
健康推進員等の地域住民や被保険者に対し、各保険者が開催する生活習慣病予防・重症化予防等、健康課題に沿った研修会を共催しています。
③保健事業推進委員会
本会と保険者の保健事業活動の充実に資するため、調査研究を行っています。
(2)生活習慣病予防対策事業等への支援
①国保・後期高齢者ヘルスサポート事業
保険者等が実施する保健事業や、保健事業に係る計画(データヘルス計画)の策定・実施及び評価について、「保健事業支援・評価委員会」を設置し支援しています。
また、保険者等職員向けの研修会を開催し、保険者等が健康・医療情報を活用して保健事業を効果的・効率的に展開できるよう支援しています。
②保健師による支援
本会に保健師を設置し、保険者等の保健事業活動を支援しています。
(3)保健師活動の支援
①秋田県市町村保健活動連絡協議会
市町村保健師等を会員とする協議会において、市町村保健事業担当者相互の連絡調整や保健活動に必要な知識と技術の向上を図るための研修などを行っています。
②在宅保健師組織活動促進事業
「秋田県在宅保健師等ゆずり葉の会」事務局を本会に設置し、在宅保健師等の組織活動を支援しています。
調査・統計事業
保険者の事業運営に役立てるため、事業の実態や状況を把握し統計資料などを作成配布しています。
(1) 国保診療報酬等審査支払状況
連合会で取り扱った国保、各種公費負担医療、県単福祉医療などの審査支払確定状況を取りまとめ、医療費の動向及び今後の事業運営のための参考資料としています。
(2) 国民健康保険事業状況
秋田県における国保の状況を、各保険者の作成した事業年報、診療施設年報等に基づいて集計・分析し、今後の事業のための参考としています。
(3) 国民健康保険データマップ
事業年報を基に作成し、医療費適正化対策等の参考資料として配布しています。
(4) 国民健康保険疾病統計
レセプト情報から、社会保険表章用疾病分類表に基づき分析作成したもので、疾病状況や医療給付の実態及び地域的傾向を把握し、保健事業の推進と国保事業の健全な運営を図るための基礎資料としています。
(5) 医療情報システム
毎月の医療費の確定状況と月報作成のための基礎資料を国保ネットワークを活用して提供しています。
(6) 疾病統計システム
年齢階級別疾病分類表、国民健康保険疾病統計表を基に、多発疾病順位、医療費分析等について、男女別や年齢別、地区別等をグラフ化することで、保健師及び国保担当者の保健事業の充実強化のために提供しています。
広報事業
保険者や被保険者を対象に、国保に対する情報や資料の提供を行い、健康の保持増進や国保に対する意識の向上を図っています。
機関紙「秋田のこくほ」発行
県、保険者及び本会関係機関の活動などを掲載し周知を図るとともに、より円滑な事業運営に資するために年4回発行しています。
広報活動の実施
パンフレットやポスターの配布などを通じ、県民に対して、健康の保持増進や国保税の納税意識高揚を図るなどのPRを行っています。
国保PRポスター
現在のPRポスターは「国保PRポスター」のページでご覧いただけます。
研修等の事業
年々複雑多様化する保険者事務に対応するため、各種会議及び研修会を開催しております。これまでに開催された研修会は次のとおりです。(一部掲載)
(1) 国保等主管課長会議
国保事業の健全な運営に資するため、予め本会の事業計画、予算編成(案)等を説明し、保険者からの理解を得るため開催しています。
(2) 市町村保健活動連絡協議会研修会
市町村保健師等を対象に、効果的な地域保健活動を推進するため、専門的な知識の習得と技術の向上を図ることを目的に開催しています。
(3) 国保運営協議会連絡会会長並びに国保主管課長合同研修会
市町村国保運営協議会連絡会会長並びに国保主管課長が一堂に会し、情報交換や中央情勢などについて、広い視野からの情報収集により問題の解決と今後の国保事業推進に資することを目的に開催しています。
(4) 介護保険担当者研修会
介護事業の資格給付事務担当職員に対して、被保険者の資格認定、保険給付の実務等に関する知識を習得させるための研修会を開催しています。
(5) 医療費分析研修会(保険者協議会主催)
医療保険者の事務担当者及び専門職を対象に、健康・医療情報の分析方法及び評価方法を習得し、データヘルスの底上げと保険者間での課題の共有や取組の推進に資することを目的に開催しています。
(6) 特定保健指導実践者育成研修会(保険者協議会主催)
医療保険者の特定保健指導実践者に対して、標準的な健診・保健指導を踏まえた研修を行い、効果的に保健指導できる人材を育成することを目的に開催しています。
基金の執行状況等
国保連合会では、国から交付金を受け、70~74歳の国保被保険者の医療費の一部負担凍結に係る「国保高齢者医療制度円滑導入基金」を造成し、その管理・運営を行っています。
なお、当基金は平成27年度で終了しております。